「楽しみ方」ってなんじゃい、と思われるかもなんですが、そもそも作品・物語を自分がどう楽しんでるのかっていう部分について、予め言語化しておきたいなあと思ったので、感想とかを書き留めていく前にそこを振り返っておきたいなと思います。
というのも、作品の読み方や注目の仕方にはある程度個人の癖のようなものが存在すると思っているので、初めにそれを書いておくことで今後自分が感想を書く時にどういうことが中心になりそうか提示しておこうかと。
どうやらこいつはそんなところを気にするやつらしい、みたいな感じで。
■未知を楽しむ
作品に触れて楽しいと感じる瞬間は様々あるかと思うんですが、その中の1つとして重視しているのが自分の価値観を見つめ直さざるを得なくなる瞬間です。
SFというジャンルが好きな理由もそこで、「未知との遭遇」によって自分が当たり前だと思っていた常識、世界が崩壊し、再構築せざるを得なくなる……みたいなところを魅力に感じています。
一言に「未知」といってもそれは異星人とかである必要はなく、触れたことのない知識・認識くらい大枠のものでいいのですが、それによって今自分が持っている世界が揺るがされる、という物語とかが好きなんですよね。当たり前が当たり前でなくなって、じゃあどうするか、みたいな。
有名どころなら「星を継ぐもの」とか、冒頭でいきなり「月面で数万年前のものと思われる遺体が発見される」ところから始まるとか面白そう過ぎるだろう。もちろんフィクションなので事実ではないわけですが、緻密に積み重ねられた設定によって登場する知識人たちが打ちのめされたり、持ちうる知識で新しい世界にぶつかっていく様は、古典SFってやっぱ面白いなって思わせてくれるパワーを感じたのを覚えています。
また人対人よりも人対機械のような、そもそもが生命同士でのやり取りでないところに意外な普遍性を発見したり、人間のどうしようもなさみたいなものが見えたりするのも好きなので、異種族間/異種知性体間でのバディものなんかも結構好みです。
若干記憶が曖昧だけど多分アシモフの鋼鉄都市とかを読んだのが、その手の作品を好きになったきっかけだったかもしれない。刑事とロボットのバディものなんですが、ロボットの視点から人間の行動を見た時にどう見えているのかが、どこか可笑しさを感じさせるようなやり取りで表現されていたような気がします(結構あやふやだから別の作品と混じってるかも。その内再読したい)。
そんなところからも何かを読むときにはまず「そこに配置された存在同士の関係性や共通性」に着目することが多いかなと思っています。どういう意図でこういう要素を置いてるんだろう、と明後日の方向にあるもの同士を結びつけて深堀りをしてしまうこともしばしばなので、「かもしれないな」程度に色んなところに当たりをつけて作品に向き合うことが多いですね。
まあ自分が見出したものが実際に意図されたものであったかどうかは、実はあまり重要ではなく、そういう意味として受け取れるものが見えた気がする、という風に感じられるのが楽しいので、ゼノシリーズの振り返り動画を作っている時なんかはあれこれ色んな発見を勝手にしつつ、物語を進めながらすり合わせをするのが楽しかったと記憶しています。
■言葉のズレを楽しむ
自分にとって作品・物語は様々な「意図」の組み合わせであると考えています。
この部分は◯◯というメッセージを表現したいんだろうな、とか、この部分は△△を魅力的に見せたいんだろうな、とか。
フィクション作品で何かを表現・描写するにあたって、なんの意図もない偶然によって発生するものはかなり少ないと思っています。そもそも意図しないと創作そのものが始められないですし。
なので作品に触れるにあたって気にしているのが、その作品における「言葉」使いと、それによって表される作品世界の構造と現実世界の「ズレ」です。
作品のタイトルだったり、作中でポピュラーな単語、名前、表現があれば、それが作品にとって意味するところの割合も大きいはずなので、どうしてあえてその「言葉」を使っているのかを考えます。類似表現があるならそれをあえて使っていない理由なんかも考えてみると中々面白い。
例えば最近オススメされて「タテの国」という漫画を読み始めたんですが、読み出して最初に気になったのが「なんで『縦』じゃないのか」でした。「タテ」とは「縦」の意らしい、というのは最初に提示されるので一旦はそう解釈して読み進めることになりますが、「縦」としてしまうと表せなくなる意図が残っているのかもしれないな、とも考えながら読み進めていたりします。最終的になんの意味もなくてもそれはそれ。
疑問の余地を「あえて説明しない」のは、読み手に一旦自身が持つ常識・価値観で世界を解釈せざるを得ない状態に誘導することになります。それが後々全く別の意味合いを持ち始めていくと現実世界と作品世界の間に「ズレ」があったことが分かるわけですが、この「ズレ」こそ先述した「未知」と似たものだったりするんですよね。
読み手はその「ズレ」をどう解釈すればいいのか、作中の展開をなぞりながら考えていくことになるわけですが、そこに自分なりの答えを出していくのが楽しい。そうした「ズレ」の提示が上手い作品は好きになりやすい傾向にあるな、と感じます。
「タテの国」についてはジャンプ+のアプリで順に読み進めているところなので、ゆくゆくは途中経過や最後まで読んでの感想を書きたいところですが(今10話あたり)、とりあえず今気になっているのは「重力らしきものがあるのはなぜだろう」というところ。
■最後に
前回「そこまで長い記事はあまり作らない方針」とか書いてなかったっけ?
結果的に前回よりも長い記事になっているじゃないか。
何はともあれ今回は自分が作品をどう楽しむのか、の一部を言語化してみるという試みでした。作品の感想をちょっと書いてみる予行演習も兼ねています。ただやっぱり読んだらすぐにメモを作っておかないと、昔読んだ作品って記憶があやふやになってしまいますね。
とりあえず次は何かしらゲームについて書いてみたいところ。PS2もちゃんと動くことが確認できたので、まずは遊び始めるところからだけども……。


